ryuQ HOME > 琉球百科シリーズ

2008年09月08日

厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編

厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編
今回はありそうでなさそな故嘉手苅林昌の代表曲2曲のレコードを見てみることにしよう。

厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編「白雲節」
 歌・嘉手苅林昌(ゴモンレコード GS-42)


「白雲節」といえば島歌ファンならば誰でも知っている曲でしょう。例えば沖縄音楽ファンによる、好きな曲投票をしたとしてもベスト10には入る曲ではないかと思う。ではそのレコードは?というと、なかなか探せない。民謡レコードの全盛期の頃、ラジオの放送もジュークボックスもシングルレコードが圧倒していた。LPレコードのほとんどは(それが個人のであっても)シングルのオムニバス集と考えても良い。さて、白雲節のシングルは私の知るところこの一枚である。あとはヤマトのメジャーのLPに収録されていたり、個人のLP(アルバム)の付録的に歌われていたりするくらいだ。今から考えると不思議に思えるものだ。とにもかくにも「白雲節」最初の音源ということになりますか。


厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編「時代の流れ」
 歌・玉城安定(マルフクレコード FF-13)
 歌・奥間政文(マルタカレコード TE-1047)


「時代の流れ」は嘉手苅林昌が若い頃、首里の山川町のバス停でバスを待っていたとき、近くで話していたおばさんたちの会話が面白くて歌にしたという話は有名だ。であるからにして、嘉手苅林昌が最初に歌ったはずなのにその音源はというと、無い。ラジオでは故玉城安定の歌う「時代の流れ」(曲は花口説)がヒットした。後々になって本家本元の嘉手苅歌う「時代の流れ」はあの飄々とした歌声でオリジナル(?)音源を凌駕していった。

厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編ところが、である。もう一方に奥間政文という個性派の歌う「時代の流れ」があって、これがまた人気があった。時代の流れは、今ではいや、かつても嘉手苅林昌の代表曲であったが、玉城安定の代表曲でもあり、かたや奥間政文の代表曲でもあった。今、こうして聴き比べてもどちらも甲乙つけがたいのだ。時代というフィルターを三人の個性で歌い分けた「時代の流れ」という歌はやはり沖縄という特殊な時代の流れから出てきた歌ということでしょう。ぜひ聴き比べしてもらいたい音源である。

小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73392.html

厳選・沖縄音楽(9月号)「白雲節」「時代の流れ」編
筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)
沖縄県国頭郡本部町出身。幼少期を那覇市で過ごし、中学以降宜野湾市に遊ぶ。大学卒業後ヤマトへ。季節工などの底辺労働に従事しながら、アメリカ、東南アジア、中国、アラブの国々を旅する。沖縄に帰り、クリーニング屋の経営をしながら大城美佐子や嘉手苅林昌のリサイタルなどをプロデュース。「風狂歌人」(嘉手苅林昌)や「絹糸声」(大城美佐子)など沖縄音楽CDを多数製作。2002年、国際通りに島唄カフェまるみかなーを開く。2004年沖縄音楽デジタル販売協同組合に参画しインターネット三線教室を始める。2006年、拠点を壺宮通り(那覇市寄宮)移し、島唄カフェいーやーぐゎーを開店。沖縄音楽の音源や映像の楽しめる店として好評を博している。
島唄カフェいーやーぐゎーHPhttp://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/



同じカテゴリー(ryuQ100歌・小浜司)の記事

この記事へのコメント
はじめまして!私はカラオケでよく歌う曲の一曲が この
時代の流れ!
です。
これからも 沖縄民謡が ますます発展するように 願ってます。
Posted by ハッシー at 2008年12月09日 16:29
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

Copyright(C)2024/琉球百科シリーズ:ryuQ All Rights Reserved.