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2008年04月21日

ryuQ100味4月号『サングヮチグヮーシの話』


気がつけばもう新年度の4月。去年から始まったたこの琉球百科シリーズも早一年である。ボクが担当しているこのコーナーは年中行事の料理を中心に紹介しているけれど、一年で代表的な年中行事と料理をだいたい紹介してきた。なので、今年度は前年度、行事が重なって紹介できなかった年中行事の料理を中心に、沖縄の旬の食材や季節の料理なども紹介していきたいと思う。

とういわけで、4月である。4月といえば沖縄の三大年中行事の一つであるシーミーであるが、去年、このコーナーの第1回目がシーミーだったのである。というわけで今回は旧暦3月の中でもわりと大きな年中行事の「浜下り(ハマウイ)」を紹介するね。


旧暦3月3日はサングヮチサンニチとも呼ばれ、沖縄では女の子だけに限らず若い娘を中心にすべての女性が、ヨモギ餅や色とりどりのお菓子、ご馳走などを重箱につめて海で楽しく過ごす「女の節句」である。浜辺で身を清めることから「浜下り」ともいわれている。

浜下りの始まりは、その昔、未婚の美しい娘が誰とも知らない美青年と恋におちいり、夜な夜な逢瀬を重ねているうち娘は身ごもってしまう。母親は素性の知らない男の子供を身ごもったことに困り、男の身元を確認するため娘に男と会うときに、麻糸のついた針を着物の袖に刺すよう命じた。

翌朝、母親が麻糸をたどっていくと石垣の穴に突き当たってしまい、その穴をのぞくと中には2匹のアカマタ(蛇)がいて、1匹のアカマタの尻尾には針が突き刺さっていたという。穴の中からは2匹の話し声が聞こえ、針の刺さったアカマタが「自分は人間の美しい娘に自分の子種を宿らせたので、針が抜けなくて苦しみぬいて死んでも悔いはない」といった。

すると別のアカマタが「人間は利口だからヨモギ餅を作って海辺におり、飛んだり跳ねたりして波とたわむれて遊べば、海水に清められてお腹の子種は流されてしまうかも」といった。それを聞いた母親は急いでうちに帰り、娘を連れて海に行き浜に下りると娘の体は小さなアカマタが7匹も出てきて、娘の体は海水に清められ、元の美しい体になったという。その日が旧暦3月3日だったことから、女性はこの日に浜下りをして白い波に足を浸すと災厄が払われるといわれ、浜下りが始まったという。


昔はこの日の重箱にヨモギ餅やサーターアンダギーのような味わいのサングヮチグヮーシ(三月菓子)、落雁のようなコーグヮーシ、赤寒天などのお菓子、小豆ご飯のおにぎりや赤飯のおにぎり、豚肉のごぼう巻きや魚のてんぷら、赤カマボコ、白カマボコ、赤く染めたゆで卵昆布巻き、祝いの席に欠かせない花イカといったご馳走が詰められている。  
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2008年04月14日

ryuQ100歌4月号『奄美しまうた名盤特集』

ryuQ100歌4月号『奄美しまうた名盤特集』
今回は奄美アルバム3枚を取り上げてみました。奇跡の喉とか地上で最も優しい声とか言われて、最近注目をあびる奄美音楽=しまうた。ここに挙げる3枚は奄美のしまうたの原風景が詰まっている。


*奄美大島民謡・南政五郎傑作集
(セントラル楽器 0-27)

奄美島唄の第一人者・南政五郎(1899〜1985)のアルバムを何時手に入れたのか記憶にない。何年もレコード棚にしまっておいて、ある日、こんなレコードもあったっけ、と針を落として凄いと感じたのは90年代に入ってからであった。何が凄いか、その悠長な節回しには、やはり時代の重さをその吐息から感じることができるということか。戦後の奄美群島の日本復帰(1953)以前に島々を歌い歩いて、島人のアイデンティティ深め、第一人者としての名声を得たが、初レコーディングは10年後。このアルバムはそれから10年後の氏が75歳のとき。前回の録音に新録5曲を加えてのLP盤は聴きごたえ十分だ。


*奄美民謡・坪山豊名演集
(マーキュリーレコード JL-813)

奄美民謡ファンで坪山豊の名前を知らない人はいないだろう。あの有名な「ワイド節」が氏の作曲ということを知っている人は沖縄では少ないかもしれない。その坪山氏が伝統船建造術保持者としてはどうだろうか。ライナーノーツによると、幼少時から三線になじんで育ったが、民謡界へのデビューは42歳を過ぎてからであるという。1972年9月に開催された「実況録音奄美民謡大会」に友人のすすめで出場したのが初舞台。翌年には「坪山豊傑作集」なるアルバムもプレスされてその名が広く知られるようになった。1980年に名瀬市での「第一回奄美民謡大賞」にて大賞を受賞して、坪山節の完成を印象付けたという。その直後のアルバムがそれだ。ワイド節が初々しい。


*奄美民謡・武下和平傑作集
(セントラル楽器 0-32)

坪山豊が遅咲きなら武下和平は早くから頭角をあらわした。16歳で初舞台を踏み、26歳の時には東京にて文部省主催の「芸術祭民俗芸能大会」に出演。その翌年にはファーストアルバムを出している。土着の響きの坪山節に対して華麗な武下節はほんの少し前の両横綱だった。貴島康男や元ちとせなどの若手の出現により、奄美民謡が全国的に知られるようなったが、今の若手のうたしゃ達の出発地点であり、目標が武下和平であり、坪山豊である。もちろん CDのデジタル音源も多数出回っているが、当時のレコードで聴くのも一興というもの。

●小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73392.html  
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2008年04月07日

ryuQ100冊4月号/ある意味「ミスター・沖縄県産本」


 気が付けば、風がやふぁやふぁとしてきた。四月である。季節はといえば、うりずん。いろいろな社会的な節目にこの季節が選ばれたのはよく分かる気がする。降雨が地に染みわたり、大地は潤い、新たな生命が芽吹き始める。何かが始まるにふさわしい気が満ちているのだ。この「ryuQ」も、一年前にスタートした。「四月三日なんです」と、沖縄ウェブ界のキジムナーことスタッフのKUWAさんが教えてくれた。満一歳を迎えた訳ですね。なにかカリーをつけないといけないですな。

 ryuQぬブログや ばが島ぬ恵み うりずんぬぐとぅ 染みて咲ちゅさ

 なんちゃって琉歌、なので意味は不明であるが、とにかくおめでとうございます。今後とも末永いお付き合いのほどを読者ともどもよろしくお願いします。

 今回紹介する本は、うりずんとも一周年ともまったく関係ないので恐縮だが、しかたない。去年の年末に出版されて、さっそく紹介しようとしたら、本がどこぞに紛れ込んでしまい、冬の間中、ずっと探していたのだ。春になり、本棚からひょっこり顔を出していたのをようやく見つけ出した。ゆい出版が実に久々に出した『カンタン家庭で作れる薬膳みそ』(知念美智子著)である。

 食育研究家の著者が、長年の研究・実践の中から作り出した手作り味噌「沖縄薬膳みそ」のすべてを伝授する内容で、〈本書が、食育について考え、健康の基本である「食べる」、それも「何を」「どのように」「誰と」食べるかを考えるきっかけになれば〉ということだそうだ。「沖縄薬膳みそ」の作り方がとにかく懇切丁寧に説明されている。しかし全体的に実にざっくりとした、沖縄県産本らしい実用書である。しかし僕が紹介したいのは、実はその味噌ではなくて、この本の版元「ゆい出版」である。  
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タグ :新城和博

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