ryuQ HOME > 琉球百科シリーズ

2010年03月01日

『おかえりなさい 家族へのメッセージ』

おかえりなさい 家族へのメッセージ
 沖縄県産本とは、沖縄で出版した本である。沖縄に関係した本、ではなく、沖縄で出版した、というところがポイント。でも中には本屋で売ってないものもある。今回紹介するのはそういう沖縄県産本。
『おかえりなさい 家族へのメッセージ』 自費出版で関係者にしか手に入らない、という本はよくあるのだが、この『おかえりなさい』は、全県下で大々的に売られている。実は、沖縄ファミリーマートが発行元となって出版した本で、販売も沖縄のファミリーマートの店舗のみ、というわけなのである。約二百店舗あるのだそうだ。本屋より多い。

 そもそものきっかけは、日頃なかなか伝えきれない家族への思いをメッセージにしようと、沖縄ファミリーマートが企画として、ラジオ沖縄の番組でリスナーに呼びかけたことに始まる。集まったメッセージはラジオで紹介し、その後11月の「家族の週間」(というのがあるのだ)に、県内のファミリーマートでカードと横断幕にして展示。それをさらに、全国的にその実力が知られている真和志高校インターメディア部の生徒さん達の写真とコラボレーションしてできあがったのが、『おかえりなさい』なのである。
『おかえりなさい 家族へのメッセージ』
 僕はラジオでのメッセージ募集と書籍化にあたっての編集でこの企画に携わったのだが、ひとつ長年の希望をこの本で叶えることができた。真和志高校インターメディア部の写真を本にしたことである。
 集まったメッセージを書籍にするに当たってすぐに思い浮かんだのが、写真との組み合わせである。でも個人の家族に当てられた言葉と直接に対応するようなものではなく、あくまでも写真は写真で、ひとつずつのイメージが広がるようなものだったらいいなと思った。真和志高校インターメディア部は簡単に言えば写真部なのだが、高校生の全国大会である写真甲子園で何度も優勝している実力である。僕は密かにファンだった。そしてプロではなく、高校生の写真と多様な形がある現代の家族の姿が合わさると、ちょっといい具合ではないかと思ったのだ。
 写真は一言でいうと、「まぶしかった」。そして集まったメッセージは「切なかった」。
『おかえりなさい 家族へのメッセージ』
 沖縄の家族から集まったメッセージは思いの外、いろんな姿があった。あまりに身近過ぎて日頃伝えきれない何かが、こうした企画を通して形になるというのも、なかなかいいんじゃないかなぁと、できあがった本を手にした思うのだが、どんなもんだろうか。
 企画に携わったものは、それぞれの立場でメッセージと写真にふれて、密かに涙うるうるーしている。

新城和博の『ryuQ100冊』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73391.html

『おかえりなさい 家族へのメッセージ』
プロフィール:新城和博(しんじょうかずひろ)
沖縄県産本編集者。1963年生まれ、那覇出身。編集者として沖縄の出版社ボーダーインクに勤務しつつ、沖縄関係のコラムをもろもろ執筆。著者に「うっちん党宣言」「道ゆらり」(ボーダーインク刊)など。
ボーダーインクHP:http://www.borderink.com/



同じカテゴリー(ryuQ100冊・新城和博)の記事

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

Copyright(C)2025/琉球百科シリーズ:ryuQ All Rights Reserved.