2009年11月23日
真っ白な琉球小スミレ「小雪」

小雪が出演するあのコマーシャルの、あの流し目の誘惑に勝てる男性は、概していない。
CMの影響でウイスキーがお好きじゃなくても、泡盛を角瓶に入れ炭酸で割るお人も出たというから、なかなかシュールである。
「ロングヘアーの女性」というのなら、ワタクシも該当するので、それならばと、行きつけのクースバーで流し目を試してみる事にした。
オヤオヤ、カウンターの向こうに、いい塩梅にこの店の男性スタッフ、ヨッシーがいますよ。
ここいらでちょっと、目を流してみることにしましょう。
「ボク、なにかしました? 目つき悪いですよ」とか、
「老眼じゃない? うす目になってるよ」とは友人のクーミー。
はて、「流し目」と「うす目」、あの彼女とワタクシの違いはなんだろうと、グラスを傾けると、彼女の魅力は、「白」だと口を揃えていう。
ヒトビトは、「白」がお好きなのだそうだ。たしかに「色白は七難隠す」とか「美白」とか「純白」とか、「オレ色に染まってくれる白がいい」と、便乗する客も出た。「白髪」は別物だと切り捨てられた。
それにしても、ウイスキーのCMに彼女の「白いイメージ」を登用することで、「夜の街の清潔な一面」というイメージを連想させるとは、CMプロデューサーの賢さに脱帽である。
まことに「白」は、摩訶不思議な力をもっている。
植物の世界にも同じ事がいえる。
植物は、葉緑素のおかげで緑色をしており、光合成を行う。詳しくは、理科の教科書を参照していただきたい。
この葉緑素が何らかの理由で失われた時に、葉に白い部分が表れる。
まだらになったり、縞模様になったり、時には真っ白い葉が出現する。
その神秘的な葉の美しさから「錦葉」などとよばれ、縁起物として珍重され高値がついた。一般的には、「斑入り葉」と呼ぶが、そのメカニズムについてはよくわかっていないそうだ。

よくいわれる原因には、ウイルス説、遺伝説、環境説などがあるといわれている。付け加えて「斑入り葉」は、葉緑素が乏しく光合成が充分出来ないため著しく軟弱な場合が多いことから肥培管理を徹底しなくてはいけない。
そういう理由で、出現しても繁殖は難しく長続きしないそうだ。ここらへんの神秘性が「佳人薄命」を思わせ、古より珍重されてきた所以であろう。
しかし、植物は全く持って不思議なもので、荒れ放題の我が家の庭に「真っ白い琉球小スミレ」がぽちぽちと出現した。
猛烈に繁殖するカタバミの中に、白い琉球小スミレが楚々と風にゆれている。夏中、強烈な太陽光線が当たる場所にだ。
カタバミのどん欲な成長ぶりに栄養をとられたか、眩暈するほどの高温と太陽光線で遺伝子が傷ついたか。それにしても、清楚な姿である。

とにもかくにも、「小雪すみれ」と名前を付け、慎重に鉢上げをして様子をみたら、新芽がでてくるでてくる。軟弱なんて、誰がいったのだろう。
こうなれば、珍花「小雪すみれ」で一旗あげようかと、ほくそ笑んでいると、愛犬ももがおいしそうに「小雪すみれ」をムシャムシャ…。
ああ、雪解けは意外にも早くキタ…。
●比嘉淳子の『ryuQ100花』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73394.html


2児の母。すっかり“沖縄のおばぁ”的存在になりつつあるこの頃。
『沖縄オバァ列伝・オバァの喝!』『オジィの逆襲』『沖縄オバァ列伝・オバァの人生指南』(双葉社刊)、『琉球ガーデンBOOK』『よくわかる御願ハンドブック』(ボーダーインク社刊)、『琉球新報・うない』『琉球新報・かふう』のほか、新刊『家族まるごと福お祝いマニュアル』(双葉社刊)が発売中。
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