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2010年05月31日

「テーマパークの裏楽しみ方」(by.比嘉淳子)

テーマパークの裏楽しみ方/比嘉淳子
我が家はこぞってテーマパーク好きだ。
千葉にあるのに東京と名の付くあのテーマパークは、年に数回訪れる。大阪にある米国映画村は今年も行った。
特に、ネズミキャラパークに隣接するホテルから見える風景は、夢を忘れたおばさんのアドレナリンを一気に分泌してくれ、普段の日々がうそのようである。

そして、普段なら寝ている早朝に起きだして、朝日に照らされながらパーク内を清掃するスタッフに感動し、早速、家に帰ったら早朝庭掃除する決意を表明する。が、これは、すぐに内省に代わった。
とにかく、入場するや否や、ゲートの開いた出走馬のように私の家族は、園内に流れ込むのだ。

トピアリー絶叫系アトラクションをこよなく愛する子供達は、嫌がる父親を引きずるようにしてアトラクションのファストチケットゲットに走り出す。
「マブヤーを落とさんでよー」と、見送った後、私は家族とは反対の場所に走り出し、園内の植物と言う植物のチェックを始める。

そう、テーマパークのもう一つの楽しみ方は、植栽なのだ!
「この手があったんか!」
「信じられへん!」
「みとめられへん!」
「さすがやわー」
「沖縄でもまねできるやないのー」
と、なぜか関西弁で感心したり、驚いたり、葉裏を見たり、地面に顔をつけたり。
挙動不審なおばさんは、テーマパークでは学ぶ事が多くて、飽きないのだ。

オレンジ
何気にヨーロッパ風なトピアリーを見れば、カイズカイブキであったり、チャーギであったりするし、デコレーション風な柑橘の植栽も、本物のオレンジだった。
「やっぱ、人を感動させるには、偽物じゃだめなのよねー。
ごまかしじゃ、心って動かないんだね。」
…アドレナリンのせいか、普段、考えないような事を考えている。
こんな事は柄にもないので、他に目を移した。

芝生
若いスタッフが、ピンセットを片手に芝生の上でしゃがみ込んでいる。
よく見れば、小さな雑草を丁寧にピンセットで抜いているのだ。
「信じられない。除草剤ではなく、手作業なのね。」
多数の来園者への配慮なのだろか、除草剤を使っている気配がない。

多肉植物老若男女の夢の国は、こうしたたくさんの人の努力で成り立っている。
観光で入客数を伸ばすには、箱ものではなく、ごまかしのないウトィムチが大切なのだと悟ったのでありました。
…ああ、まだアドレナリンが出ているようだ。
しかし、この多肉植物のネズミキャラは、素晴らしすぎるぞっ!


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「テーマパークの裏楽しみ方」(by.比嘉淳子)プロフィール:比嘉淳子(ひがじゅんこ)

2児の母。すっかり“沖縄のおばぁ”的存在になりつつあるこの頃。
『沖縄オバァ列伝・オバァの喝!』『オジィの逆襲』『沖縄オバァ列伝・オバァの人生指南』(双葉社刊)、『琉球ガーデンBOOK』『よくわかる御願ハンドブック』(ボーダーインク社刊)、『琉球新報・うない』『琉球新報・かふう』のほか、新刊『家族まるごと福お祝いマニュアル』(双葉社刊)が発売中。



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