2009年11月09日
佐渡山豊「ドゥチュイムニィ」/サムライ「サムライ挽歌」

今回取り上げるレコードは沖縄フォークファンなら誰でも持っておきたい2枚だ。すなわち佐渡山豊の「ドゥチュイムニィ」とサムライの「サムライ挽歌」だ。

(エレックレコードEB-1013 1973)
私事で恐縮ですが、この度本なるもの、ボーダー新書から「島唄レコード百花繚乱」というタイトルで出させていただきました。このryuQのサイトの連載などに加筆修正したものでして、合わせて読んでいただくと大変ありがたい。
レコード時代の沖縄音楽はまさに百花繚乱で、島唄はもちろん、フォーク、ロック、演歌、ジャズなども一地方としては考えられない程プレスされた。島唄は地元のレーベルが盛んでヒット曲なども産み出していくのですが、フォーク、ロックとなるとやはりレーベルは本土ということになる。1972年、沖縄フォーク村を結成し、初代村長となった佐渡山豊は「ドゥチュイムニィ」を引っ提げて本土デビューを果たす。当時、吉田拓郎や泉谷しげるなどが所属するエレックレコード。ドゥチュイムニィとは「独り言」という意味で佐渡山豊ふうの「イメージの詩」というところ。当時はラジオから連日のように流れ、友人からカセットに録音してもらって何度も聴いたものだ。高校生の頃だった。それが'96年、突然「ドゥチュイムニィ」が泡盛「菊の露」のCMソングで流れた時は驚きであり、懐かしくもあり、それがより洗練されたものであったので嬉しくなった。翌年「さよなら沖縄」というアルバムをリリースするのだが、それには私も協力させてもらった。

(ビクターPRA-10467 アールビーシーレコード キャンパスレコード)
何だか複雑なレーベルである。ビクターにアールビーシーにキャンパスとくる。作詞・ビセカツ/作曲・黒川修司/編曲・照屋林賢、演奏・林賢バンド/ヤグイ当山安一&ヤグイメン。なんだこりゃ、だ。あなたはサムライなる人物をご存知か?沖縄ではかなり有名でスゾ。キャンパスレコードのCDのジャケット多数手がけ、最近では絵本も出版した、あのグラフィックデザイナーの和宇慶文夫。コザ独立国の総理大臣といえば分かるはず。ならば泡盛「轟」のCMに登場した「普通の上等」のあのオッサン。なに?ヤマトでは放送されてない?とにかく風変わりで才能バリバリのサムライの「サムライ挽歌」、良いか悪いか聴かせたあげたい心。
●小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73392.html

筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)

島唄カフェいーやーぐゎーHP:http://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/
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