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2008年07月14日

ryuQ100歌7月号「新垣さゆり、照屋政雄」編


今回は不思議なレコードを2枚紹介しましょう。

「恋し里前」歌・新垣さゆり
(BCYマルフクレコード FF-1009 1983)

最近私が最も注目している若手歌手は村吉茜である。つい一週間前に私の店でライブをして、弱冠19歳にして、あの喉あの声量なかなか普通ではそうはいかないと改めて感心した次第。初めて彼女の歌を聴いたのは彼女が高校1年生の時。なんとませた声をしているのだろうと思った。やはりDNAのなせるワザかもしれない。彼女のおじいちゃんは沖縄芝居界でも有名なトゥックイ小ノリーこと、新垣則夫氏。三枚目の役ではピカイチの役者。母親も叔父さんも歌手という環境に育ったサラブレッド・村吉茜は17歳の時、ラジオ沖縄新唄大賞を受賞した。これは中々大してすごいことですぞ、本当に。

さて、ここに取り出したるは、その村吉茜の母親・新垣さゆりのレコードである。このレコードは私のレコード棚に眠っていて、指摘されるまでは知らなかった。今回聞き直して、声質は争えないと思った。18歳の時にレコーディングしたというのにしてはやはり老けた声である。昭和57年沖縄テレビ民謡大賞ゴールデン新人賞受賞記念盤というこのEPレコード盤を聴くと受け継がれるべき言霊の奥深さを感ぜずにはいられない。彼女はもう一線から遠ざかっているが、娘の茜は今将に伸び盛り。そして母親のオリジナルである「恋し里前」を自身のアルバムに収録しようと格闘している。


「流れの渡り鳥」歌・照屋政雄
(マルフクレコード FF-320 1988)


遅れてきた渡り鳥・照屋政雄は今最も勢いのある歌手の一人である。とはいっても彼の場合、ある独特なマイペースというものがあり、それ故損をしたところも少なくはない。ともあれ、今年の9月には大きなリサイタルも控え、また近々映画の撮影も控えていて、やはり忙しくて忙しくないペースの照屋政雄のレアなレコードを一枚取り出してみた。

まず、一見してこれは何だ!と思わす一言声が出てしまうジャケットである。落ち着いてみると、ああ照屋政雄だ、と感じ入るのだが、小林旭の渡り鳥シリーズを意識したであろう歌詞の内容とジャケットのデザインは照屋政雄の笑顔によって、単なる皮肉ではなく本当に映画と歌がすきなのだなと見る人(聴く人も)を安心させてはくれる。というのも、背中にちらりと見える三線にふと許してしまう、我々の心のツボを心得てる風を装うのは彼の韜晦かもしれない。

●小浜 司の『ryuQ100歌』バックナンバー:
http://ryuq100.ti-da.net/c73392.html


筆者プロフィール:小浜 司(こはま つかさ)
沖縄県国頭郡本部町出身。幼少期を那覇市で過ごし、中学以降宜野湾市に遊ぶ。大学卒業後ヤマトへ。季節工などの底辺労働に従事しながら、アメリカ、東南アジア、中国、アラブの国々を旅する。沖縄に帰り、クリーニング屋の経営をしながら大城美佐子や嘉手苅林昌のリサイタルなどをプロデュース。「風狂歌人」(嘉手苅林昌)や「絹糸声」(大城美佐子)など沖縄音楽CDを多数製作。2002年、国際通りに島唄カフェまるみかなーを開く。2004年沖縄音楽デジタル販売協同組合に参画しインターネット三線教室を始める。2006年、拠点を壺宮通り(那覇市寄宮)移し、島唄カフェいーやーぐゎーを開店。沖縄音楽の音源や映像の楽しめる店として好評を博している。
島唄カフェいーやーぐゎーHPhttp://www.ryucom.ne.jp/users/iyagwa/


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